第三章:ND-12 コントローラーがつながっていない

偽できない理論

これはチェンジ理論の記事です

より番号が若い記事の続きとなります。分からない方はこちらをお読み下さい。

偽できない理論(ND)目次

2019年1月2日

第三章:ND-11 変化や維持=すり合わせの結果

2019年1月13日

083.結果に対する期待は高確率で裏切られる

では、基本的恐怖心とFB制御の関係についてまとめておこう。どんな分野のFB制御でも、すべてを操作できるわけではない。直接、関与できるのは設定値、アウトプット、インプットの三つである。結果というのは、確認はできても操作はできない。エアコンの場合、冷却装置をオンにすれば結果は変わる。センサー機能を使い、室温を確認することはできるだろう。しかし直接的に室温そのものを変えることはできない。あくまでも影響を与えているだけだ。結果というのは不確定な外的要因の影響を受ける。一度のアウトプットで目標達成を期待するのはお門違いである。もし結果を過度に期待しているなら、それは高い確率で裏切られるだろう。

084.動かせないものを動かそうとする理由

では、今度は人間関係のFB制御について考えてみよう。人間関係を左右する外的要因は、もちろん他人である。他人の感情や価値観を支配的に扱うことは賢明ではない。コントロールできるのは、せいぜい自分の態度や表現を改めることぐらいだ。なぜ理解してくれないのか。その質問の真意は、理由を確認するためではなく、不満の意を表現するためにある。このことは、ゲームのコントローラーで例えると分かりやすい。どんなゲームも、たいてい動かせるキャラクターは限定されている。操作できないキャラを動かそうとしても、期待は裏切られ、イライラするだけだろう。他人を動かそうとするのは、つまりそういうことである。思い通りにならないばかりか、イライラが増すばかりだ。それでも、なお他人や結果が気になるとしたら、その理由は一つしかない。偽できないを成立させるため、TKKにしているということである。

085.人は他人の目や評価を操作したがる

他人や結果を操作しようとしても、好ましいことは起きない。まず、期待通りにならないのではないか、いつも気を揉むことになる。なかでも最大の損害は、恐怖心が強まる点だ。人はコントロールできないものに恐怖を覚える。古代であれば災害、飢え、捕食者などは恐怖の対象に当たるだろう。いずれも生存の機会を脅かす、危険なものである。必然的に、その対象を支配したいという衝動が生まれる。支配とコントロールは、同義と言っても良い。人は科学技術を使って、恐怖の対象を間接的に支配することに成功した。天候、災害、飢え、捕食者による危険は、古代と比べて軽減されたはずだ。しかし、人が本当にコントロールしたい恐怖の対象は他人の目である。こればかりは、永遠に支配することはできない。なぜなら、それが実現すれば、自分自身も他人に支配されるからだ。

086.恐れていることが現実化する仕組み

では、他人や結果を支配したがる人に、どんな災厄が降りかかるかを見ていく。例えば、企業の採用面接の場面を想像して欲しい。面接に合格したいと思うのは当然である。しかし、面接の採否というのは、自分一人でどうにかなるものではない。面接官の心象は明らかに外的要因だ。他の求職者の評価も、会社の採用方針も、結果を左右する外的要因はいくらでもある。どれもコントロールすることはできない。それにも関わらず、求職者はよく思われようと躍起になる。評価を気にすればするほど、基本的恐怖心は高まるだろう。嫌われたくない、見下されたくない、軽視されたくない。身を守ろうとするほど心身は固く緊張する。普段はありえないような失敗を引き起こすかもしれない。恐れている結果を自分で引き寄せてしまうということだ。採用面接だけのことではない。他人より優れたい、勝負に勝ちたい。動かせないものを動かそうとする場面は無数にある。異性関係や仕事のプレゼン、ピアノの発表会、オリンピックでも同様のことが起こりうる。これが、いわゆる、本番に弱いタイプが生まれる仕組みだ。緊張をタイプや性格のせいにしている限り、パフォーマンスの向上を期待することはできない。

087.ストレス=外的要因に対する支配性

他人や環境など外的要因はストレスではない。それらを支配したがることそのものが、精神的な負担を引き起こしている。外的要因に対する支配欲が強い場合、トラブルが起きやすい。他人を支配する方法はいくらでもある。もっとも簡単なのが暴力や恫喝だろう。しかし、それらの効果か短期的であるのは言うまでもない。反対に、もっとも狡猾なのが弱者を演じることだ。他人を支配できるのは強者ではない。赤ん坊を見れば、そのことがよく分かるだろう。彼らは周囲の大人を見事にコントロールしているはずだ。やっかいなのは大人による弱者の支配戦術である。病気や障害、不幸、悲劇の主人公は他人を支配する道具になりやすい。もちろん、その支配にも弊害はある。弱者の支配戦術を多用することは、弱者らしい演出を練習することを意味する。自覚なく不幸や災難を探すことになるだろう。本来、動かせないものを動かそうとするのだ。いつも怯え、緊張して過ごすことになる。恐怖と不安から解放されることはなく、ストレスだらけの人生になるだろう。

088.偽できないを潰せる人が抜きん出る

他人や結果を気にする人は結果を出せないし、結果を出せる人は他人や結果を気にしない。できる人ほど、外的要因に意識を奪われることなく、自分ができることに集中しているはずだ。例えば、意識がどのくらい外的要因に奪われているか、測定できる機械があるとする。オリンピックの選手になるような人は、数値が極端に低いだろう。どんな分野であれ、抜きん出る人は他人との比較で時間を潰したりしない。一方で、その他大勢から抜け出せない選手の数値は高くなるはずだ。外的要因に意識を奪われている分、彼らは練習の時間を損なっている。大多数の人は、外的要因に意識が奪われていると言い、奪わせているとは言わない。その本心に言及できる人はかなり稀である。逆を返せば、回避的な衝動を意図的に潰せる人は、どんな分野でも上位に立てるだろう。もちろんスポーツに限った話ではない。模試で良い結果を出すことも、良い父親になることも、障害や経営難を乗り越えることも、変化の本質は同じである。

第三章:ND-13 有機体・概念+他動詞表現=?

2019年1月15日

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